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エチュード 〜 連作  by こさっぺ
ブログ紹介
ここはこさっぺが1年間、 『シナリオの技術』(ダヴィッド社刊) の基礎技術の習得法を教科書に、
原稿用紙10枚ほどの短編小説を “エチュード”(習作) シリーズとして連載するHPです。
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エチュード03:帽子

2009/11/16 01:20
   3.河童の王子様

 脳天にはシャンデリアの明かりがきらめいていた。
 クラシック音楽が軽やかに鳴り響くホールに、派手なドレスを着たマダームたちが、高笑いをしながら歩いている。パーティーに参加する全員が、豪勢な帽子を頭にのせている様子は、まるで仮面舞踏会ならぬ、帽子舞踏会だ。
 僕はコツ、コツ――と、靴のかかとを鳴らして歩く。
 白く連なるテーブルの上では、宝石のように輝く色とりどりの酒と、高級なフランス料理が、芳香を放っている。
 僕はゆるやかなターンを描いて、テーブルや柱の間をすり抜けていく。
 社交的な笑顔、ざわめき、かん高い会話が、耳の中でこだまする。
 足を速める。にわかに気がはやって、息が弾む。そして優雅に、ホールの中央へ踊り出た。
「踊りませんか? マドモアゼル」
 指をいっぱいに開いて、僕は魅惑的に笑い、可愛い彼女の前で、カッコよくポーズをキメた。
          ***
「ふふふっ」
「ぷっ……くくく」
 オフィスの片隅にある、熱帯魚の水槽の裏から、笑い声が漏れていた。そわそわと身を寄せ合って、小声で話しているのは、派遣の女子社員、二名だ。
「見て、カッパ様の机、また新しいフィギュア増えてる〜!」
「うわ〜、キモ〜い。本っ当にありえないですよね」
「顔はまだキレイなのに、なんであんなにダサい格好なのかしら」
「彼は人間じゃないんですよ、カッパ様、ですから」
 全部、聞こえてるぞ……。
 僕は昨日撮ってきた写真を、パソコンソフト「フォトショップ」で加工しながら、話し声を環境音として聞いていた。春の午後、あたたかい日光が差し込む。
 ここは新宿にある、株式会社デンイチの自社ビル、三六階の、クリエイティブ課のフロアである。依頼されたイベントの写真を撮ってきて、広告用に美麗な加工をするのが、僕の仕事だ。
 メガネ越しに画面を見ながら、目を細める。吐息が笑いとなって溢れてくる。頭は今、毛のない頭皮を天に円(まる)くさらして、側面から生えた髪を肩までストレートに垂らしている。つまり、カッパのような髪型をしている。
 言っておくが僕の名前はカッパ様ではない、河原優児(かわらゆうじ)だ。二六歳、慶応義塾大学を卒業後、写真で賞を獲って、大手広告代理店デンイチの専属カメラマンになった。
 高校の頃まで、野球部で坊主頭をしていて、頭に毛が生えたことはなかった。大学に入って、髪を伸ばしても、頭頂には生えてこなかった。
 でも、カツラなんかするものか。ハゲじゃない、これは髪型なんだ!
 机の上には、無数の多種多彩なカッパフィギュアが、こぼれんばかりに並んでいる。そうさ、僕はカッパを愛している。
 カッパの捕獲免許も持っていて、学生の頃から、カッパの伝説を求めて日本全国を旅してきた。本物の生きたカッパに、はっきりと遭遇したことは、まだない。だが、沼のカッパ(らしきもの)を激写した写真を、コレクションにしている。あとは、思い立ってふらりと富士山に登り、日の出を撮ったりするのが、僕の趣味だ。
 そんな、カッパを含む幻想的な写真が、一流の賞に、会社に、選ばれたのだ。
 ふいに、女たちのクスクス笑いが、転がるように移動した。こっちを変態動物か、ヘンなおじさんでも見るようにして、いい年こいて乙女走りで逃げて行く。
 フン……。
 会社では、もういい。諦めている。僕が追い求めるのは、写真のような刹那の美さ。瞬間の美を高めるためには、日常の妥協も必要だ。ここは沼の中のようなもんだ。あいつら女子社員は、水中の魚か、トンボの幼虫か、何かだ。
 そんなことより、昨日のパーティーで出会った女の子だ。イタリアの高級帽子ブランドの、日本進出パーティーで出会った、日上春香サン。デザイナーの日本人友人の娘で、二三歳の、お嬢様らしい。昨夜、華麗に彼女の手をとって、ダンスに誘いだした僕は、デートの約束をとりつけたのさ。

 会社の帰り道、僕は地下街の帽子屋で、真剣な試着を繰り返していた。回った店はもう八件目。高級店から露店の投げ売りまで、どこに僕を美しく見せる帽子があるかわからない。フォックスの毛皮の帽子をかぶって、鏡の前で紳士的に微笑んだ。コンタクトを入れて、髪先をワックスでカールさせた僕は、華やぐ目鼻立ちが匂い立つような、美貌の男だった。いかに自分がカッコよく見えるかは、角度、笑い方まで研究済みだ。
 それもこれも、女の子とのデートのためさ。自慢だが、これで何人もの女の子をゲットしている。
 言っちゃなんだが、僕って結構イケてる男(メンズ)だと思うんだ。顔はイケメンだし、元慶応ボーイで頭もいい、大手広告代理店のカメラマンで、収入もある。女はいやでも寄ってきて、引く手数多だ。現代に生きる光源氏ってところかな。僕は愛の狩人なのさ。
 だからこそ、髪型が、カッパヘアだとバレないために、並々ならぬ努力をしている。会社では、新人飲み会の時にすでにバレてしまった。でも女の子の前では、今まで帽子がとれそうな、数々のピンチを乗り越えてきたんだ。
 デートでドライブなどはしない。帽子のかぶりにくいシチュエーションは、何としても避ける。女性とはその場限りの関係と割り切り、それ以上の約束はしない。ふっふっふ。デートをして、髪型がバレないまま、暗闇でベッドインするのが、僕の狙いさ。
 何回か会ったらボロが出る。できれば一回。会っても三回までにキメて、速やかに逃げなければ……だって……
 怖いんだ。もし女たちが本当の僕の頭を見たら? 彼女たちが愛するのは、僕の見た目や地位だけで、本当の僕は愛されないんじゃないか。いい女とたくさんデートできるのに、一人の女と真剣に向き合うなんて、そんな怖ろしいことはできない。いや、本当は……
 求めているんだ。本当の僕を愛してくれる人を。今度こそわかってくれる人が、いるんじゃないかって、捜し求めてる。やり方がまずいのはわかってる。だから求めるほどに寂しく、孤独になる。僕は弱さを晒せない。ただ怖くて、逃げているんだ、僕は……。
 でも! 女に突撃するこの本能は、抑えてはいけないと思うんだ。女の子たちが僕を求め、僕が女の子を欲する限りは! 僕は当日のデートの計算に、頭をスパークさせた。そう、君もゲットしてあげるよ、春香サン……。

 デート当日。僕は外国製の軍用ベレー帽に、黒のロングコートを着て、その場に立ちつくした。
 うららかな春の日差しの中、風に舞い散る桜が美しい、郊外の高原――いや、ここは高山だ。
 彼女が「つり橋の上から桜を見たい」なんて言ったから! くそう、これでは暗闇でベッドイン″ができないじゃないかっ!
 僕は横目で彼女の様子をうかがった。隣にいるのは、わたあめか天使みたいに可愛い女の子、春香サンだ。
 ウェーブがかった毛量の多い髪と、桜色のスカートを揺らして、軽やかに歩いている。夢見るような瞳は、虹色の光を含むように澄んで、滑らかそうな肌の上にのった頬と唇は、淡く色づいている。
 まあ……帽子をかぶれるシチュエーションではあるし、新しくできたとかいうつり橋で、つり橋理論″(つり橋の上で怖くてドキドキしたら、恋のドキドキと勘違いするという錯覚を利用した、小ずるい理論)を試せるかもしれないという妄想にハマッて、ついOKしてしまった。
 仕方ない、作戦変更だ。暗くなったら繁みの中にinするか、「迷っちゃったねー」とか言いながら下山して、そこらのホテルに入るか……。
 僕は、去年の十二月に買った、『デートぴあ ラブホ特集』号を必死にめくりつつ、彼女の後ろから、野道に沿って歩いた。
「あっ、ここよ、河原さん!」
 ふと顔を上げると、そこには……
 断崖絶壁から、ひゅるりと一本のロープが、何百メートルも向こうの崖に繋がっていた。
 僕は、手に持っていたデートぴあを、地面にぼそりと落とした。
「幻の桜源郷につながってるって言う、伝説のつり橋を復元したものなんですって。私、こういうの大好き!」
 いや、これはつり橋ではない。どう見ても、一本のロープに、手すり用の紐が左右についただけだ。巨大アスレチックか、サバイバルゲームなんかに出てくるような……
「渡りましょ」
「わあっ!」
 強引に手を引かれて、ロープの上でつんのめった。ぐわん、と眼前に、はるか下の渓谷と、川の激流が迫ってきた。そうだ、僕は高いところが苦手だったんだ! 紐がきしんで大きく揺れる。何という風だ! 帽子が飛びそうなのを、必死に押さえる。
「うふふ、捕まえてごらんなさ〜い、なんちゃって♪」
 春香サンは、楽しそうに片足飛びで進んでいく。僕は、腹の底から情けない絶叫を上げて、跳ね回るロープにしがみついた。

 その後も、僕は人生最大のピンチに襲われ続けた。
 春香サンが、あの枝を折って鉢植えにしたいと言うので、颯爽と木の上に登ったら、帽子が枝に引っかかり、身動きが取れなくなった。
 道ばたに腰かけて、二人で桜ソフトクリームを食べていたら、ぼたりと帽子の上に落とされた。(一万六八〇〇円の帽子にっ!)
 やっと濡れタオルで拭きとれたと思ったら、バニラの香りを嗅ぎつけた巨大な雑種犬に、野原を追い回された。
 春香サンは、涼やかな水流が、絶えず音を奏でるように、笑い続けていた。野原にスカートを広げて座り、しなるように体を反って、空気を吸い込む。
「ここは古くは、神の山だったのですって。精霊のにおいがするわ。私、古い言い伝えとか、悠久のものが好きなの」
「そ、そう、なん、だ……」
 僕はへろへろと隣に座り込んだ。これはわざとなのか? 僕に何か恨みでもあるのか?
「実在するものじゃつまらないわ。私、ありえないものを、追い求めてるの」
 というか、この女も相当変わってるぞ。ここは早いこと逃げた方がいいんじゃ……
「さ、お昼にしましょ」
 後ろに腰をひねって、ゴソゴソとかご型バッグの中をまさぐり、重箱を取り出した。フタが開くと、顔を出したのは、タコさんウインナーや、ウサギさんりんごの入った、可愛らしいお弁当だった。そしてその一角に、カッパ巻きが敷き詰められていた。
 おおっ、カッパ巻き!
 僕は我を忘れて、凄まじい勢いで手を突き出した。その瞬間――
 ふわああっと、春の嵐が巻きおこった。
 頭が持ち上がる感覚。頭皮に空気が舞いこんできた。叫ぶ間もなく、帽子は円盤となって、大空に吹き上がった。
 僕は澄みきった青空を、絶望的に見上げた。足は自然に野を駆け、帽子を追いかける。全てがスローモーションに見える中、生まれてから今までのことが、走馬灯のように、頭の中に流れ出した。
 小学生の頃、友達と一緒に、夕日の中で野球をしたこと。中学生の頃、学年テストで一番をとって、母さんに坊主頭をなでられたこと。入社したての頃、新人飲み会で、リーゼントで上に盛り固めていた左右の髪が、分かれて直立してしまったこと。その時からみんなに笑いものにされたこと。
 ボールを持って立ちすくむ子供も、散歩中の犬も、僕の頭頂を見ている。情けない、裸のままの、弱い僕を。
 嫌だ、怖い、怖い! これを見られるのが嫌で、ずっと逃げてきたのに!
 やがて、帽子はかたわらの小川に、頼りなく落下した。そのままゆるやかに流されていく。体が機能を失ってがくりと落ち、草の上に手をついた。僕は泳げないんだ。カッパの川流れ……という言葉が、頭にぼんやり浮かぶ。僕はただ切なく、川の向こうに消えゆく帽子を見つめた。
頭上から、鈴が風に転がるような、笑い声が降ってきた。見上げると、春香サンが手を口元に当てて、穏やかな風情で笑っている。
「それでずっと帽子がとれないか気にしてたのね」
ああ、笑われている。僕はもうだめだ。
「男の価値は髪の多さじゃないわ」
 え……。僕は目を見開いて彼女を凝視した。
 この子は何を言っているんだ?
「どうせいつかハゲるのよ。若ハゲか、オジサンになってからか、おじいさんになってからか、それか死んだら、全部灰になって消えるのよ。だからもういいじゃない」
 彼女の笑顔は、もちろんハッとするほど可愛くて、木漏れ日のようにあたたかで、やさしさと愛らしさで、とろけてしまいそうだった。
「中身がステキな人なら、そんなの、毛ほどの価値もないわ、なんてね♪」
 そう言って彼女はまた鈴が歌うように笑った。僕は魂が吸い上げられたように、目を放せない。春香さんの声が僕の全身を震わすのが、とても心地よかった。胸のしこりをさらさら流していく、清流のような笑い声だ。

 僕たちは手をつないで、山を下りた。帽子がなくなって、頭は丸出しだ。でも手をつないだまま、山中を連れ回された。周りを歩いている他の観光客たちに見られても、何も怖くなかった。僕はカッパ趣味のことや、全国に写真の旅に出ることなどを、たくさん話した。幻の生物であるカッパを追い求めることに、春香さんは驚くほど共感してくれた。隣でずっとあいづちを打って、にこやかに聞いてくれた。とても楽しかった。
 帰り道、つり橋の上で手を引かれながら、僕は不思議と静かな気持ちになった。
 そうか、人にやさしくされるのって、こんなに気持ちいいものなのか。
 僕は今まで、何を求めていたんだっけ? 奪うために、損をしないために、計算をしていた。怖がって、怒って、欲を満たそうとビクビクしていた。飲んでも飲んでも喉をカラカラに焼く水を、飲み続けるみたいに。
 でも、この胸のうるおいはどうだろう。たった一滴で、全身の力が抜けて、甘い蜜を含む花々が、辺りにまで満ち溢れてくるみたいだ。全てが自由に、解放されていく。何だって、できそうな気がする。
 つながれた温かい手を見つめた。
 ああ、僕も、人にやさしくしたいなあ。できれば、この子に……
「きゃあっ!」
 その時ずるりと、彼女の足元が滑った。足の下にあるのは、行きしに僕が橋の前で落とした、あの『ラブホ特集』号だった。ヤバい!
 勢いで手が離れる。春香さんは橋からの着地点で、見事に地面を滑って転び、ど派手に倒れた。
 そこへ……
「大丈夫かな? お嬢さん」
 手を差し伸べたのは、和服姿の老人だった。その姿の中で、問題なのは、頭だった。
 白い絹のような髪が、サラリと風に舞う。頭の側面から足のくるぶしまで伸びる、長い髪だ。そして、頭部は天に向かって半円をえがくように、不毛のつるつるとした肌が、太陽を受けて光り輝いていた。まぶしく反射するそのさまは、まるで天使の輪が、天空に向かって昇りゆくような神々しさだった。
 手を差し伸べる姿はどこか品があり、やわらかく、紳士的な物腰だ。微笑みは海のように穏やかで、ただ静かに彼女を見つめる目は、思慮深い知性をたたえている。顔には皺を深くきざんではいるが、昔は相当の美丈夫だったことが窺い知れる、男らしく整った形だ。
 手が離れてしまった僕は、体が急に空中浮遊の恐怖を思い出してすくみ上がり、橋の上で、その場から動けなくなってしまった。眼下の深い渓谷に、脳がぐらぐら揺れている。
 春香さんは、ぽうっとした目で老紳士を見つめ、ふわふわ漂う手をのせた。
「亀……仙……人……さま」
 があんと頭を突かれ、足元に広がる谷底に落ちていく気がした。
 春香さんは手を引かれてすっくと起き上がる。そして、後方の僕を無機質に振り返った。
「ごめんなさい、河原さん。あなたのカッパルックも捨てがたいけど、私、この方の仙術にかかってしまったの」
 僕は硬直して、停止した脳をどうにか働かせようとした。
「さ、行きましょ」
 春香さんは腕をからませ、仙人の肩口に頭を無邪気に寄せて、歩いていく。
 仙人は「ふぉっふぉっふぉっ」と陽気に笑う。
 二人の影と、仙人の背おった大きな緑色のリュックが、みるみるうちに遠ざかっていった。
 僕はちぎれそうに音をたてて軋む橋の上で、時を止めたまま、風に揺られていた。
 橋の入口に落ちた『デートぴあ』のページがめくれ、野望の記憶がバラバラと風に舞うのを、ぼんやりと眺める。
 そういえば、帽子がなくなってから、屋外に出ていて、今気づいた。
 頭が、サムい……。
 耳の横で、髪がひらひら揺れ、河童の沼泥シャンプーの香りを、爽やかにふりまいた。
      
   
   
――――――――――――――― 完 ―――――――――――――――
               (400字詰め原稿用紙20枚)
   
   
久々の小説、自分のミッションで描きたいテーマ『帽子』を、小説教室提用に書きました。
帽子を、「かぶるもの」としてだけじゃなく、「心の壁」としても書くことに挑戦。 

ようは、元気出せっ、このハゲッ! て話です。

うちの上司にも、ちょうどイケメン若ハゲがいるんだけど、いつも、ここの部署の奴は全員ハゲや〜、と言われて、カックリしている。
もういいじゃん、ハゲで。
男の価値は髪の多さじゃない、中身だ!
とこさっぺは再三言うんだけど、いや、髪の多さや! と職場のじいちゃん達は言う。

実は私は小さい頃から、ハゲへの恐怖があった。
それはもう、10歳くらいの頃から、将来ハゲるのではないかと思い、降る雨は酸性雨だからと頭を過敏に守り、鏡で頭頂を見上げては地肌の出具合を確認し、社会人になったあかつきには、お金を貯めた2年目くらいに、リーブ21に体験検査に行こうと本気で画策していた。
私にとってハゲは他人事ではなく、身に迫る恐怖だったのだっ!
けど、こないだ美容院に行って、担当のおにいさんに、おそるおそる
「あの、私ハゲますかねえ…」
と聞いてみたら、
全っ然心配ない。髪多いし、すごく元気だよ、と言われて、長年の悩みが晴れてホッとし、俄然元気になってしまった。
そんなわけで、ハゲには寛容というか、他人事とは思えない節がある。きっと前世はハゲオヤジだナ……。

だからこそ、こういう話は今の自分、「若い女子」が書くことに意義があるかなって思って、書いてみた。
あと、書くことは自分と向き合うことになるから、それからも逃げちゃいかんなと。
カッパくんは私自身ですから。(自分のキャラは全部だけどさっ)
あたしの中の「怖い男像」への断罪でもある。
あたしは、小説を書くことは自分の恥部を切り売りすることだと思ってるんだけど、どうかしらん。
最近また面白い作品にハマッてるから、それに触発されても書いてる。(その話はいずれまた……)
人のいびつな成長とか、弱さも面白いじゃないか
どんだけおもろく、笑かして、泣かして、人の心を突いて響かせて書けるか、ダナ。。。
やっぱり作品作りは面白いね
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エチュード02:マッチ

2009/03/13 21:31
   2.魔法のマッチ

 それは、赤い水みたいに、ゆうら、ゆららと、大きくなったり縮んだりする。

 タヌ吉は、1本の小枝の先を、眉間に目を寄せてずっと見ている。
 両手の爪でちょこんと挟んだまっすぐな小枝の上に、赤い、なにやら熱い、踊る小花のようなものが動いている。
 赤い踊りは枝をどんどん食っていき、先端を黒くして消えてしまうのだ。
 タヌ吉はもう何度も、枝に赤い踊りをつけては見ている。
 つけ方は簡単だった。人間の落としていったゴミの中から拾ってきた、小さな箱。その外面には、人間の手が描いてあって、ご丁寧に中の小枝をとり出して、箱の横でこすりつける絵が描かれているのだ。
 人間の文字はわからないけど、たぬきはそれほど馬鹿じゃない。化かして人間を驚かせたり、ものまねだってできるのだ。
 タヌ吉がうずくまって枝の先端を眺めているのは、狐狗狸山のしげみの奥の、タヌ吉お気に入りの一角だった。隠れ家にしているその原っぱでは、いつも昼寝をしたり、化かしの研究をしたりする。草の上には、姿が消える隠れ蓑や、木の葉でできたお札が散らばっていた。タヌ吉は、たぬきの群れの中でもとびきり、化け術が得意だった。
 でも今は、初めて見るこの赤い不思議なものに夢中だった。あったかくて、ゆらめいていて、恐ろしいけれど魅入ってしまう。けれど決して、触れることができない。
 それは何だか太陽に似ていて、手は届かないけれど、力をわけてくれている気がする。でも同じくらい、猟師の鉄砲にも似ていて、とても恐ろしい気がする。「近づいちゃいけない!」と、野生の本能が命じている気がする。手を伸ばしたら、怒って噛みついてくるかもしれない。
 たくさんの化け術を知っているタヌ吉にとって、それはまったく新しく、違う世界からきたものに見えた。
 そうか、これはきっと、魔法の杖に違いない。
 手に持つ小枝の先が、きらり、と赤く輝いた。

 これであいつに勝てるかもしれない……。
 タヌ吉はしめしめと思う。
 あいつ、タヌ金太は、メスだぬきを化かすのがお得意だ。いつだって、若いメスだぬきに囲まれて、キャーキャー言われているのだ。
 タヌ金太は、体だってそんなに大きくないし、化かしの技も、タヌ吉ほど難しいことはしない。ただキザで、格好つけで、メスたちとばっかり話してるだけだ、とタヌ吉は思う。
 だけど、化かしの見せ方が、上手かった。
 タヌ吉は、あんなの派手で、安っぽくて、興ざめだと思うのだけど、メスたちからは大好評だった。メスだぬきたちはひそひそ笑いあい、花の咲いたような目で、タヌ金太を見るのだ。
 そのタヌ金太が、ポンポ子ちゃんを狙っている。
 タヌ吉の、愛しのポンポ子ちゃんをだ。
 きのうのお昼に、群れのみんなで化け術を見せあっていると、タヌ金太が、ポンポ子ちゃんの前につつつと近寄っていった。
 そして、どろんという間に、ポンポ子ちゃんの体のまわりに花をいっぱい咲かせて、ドレス形にして包んでしまった。七色の、大輪の薔薇で埋め尽くされたドレス。
 それを突然着せられて、目をぱちくりさせるポンポ子ちゃんの前に、タヌ金太はうやうやしく片ひざをつき、彼女の手をとって、ちゅっと口をつけたのだ。
 はたして、メスだぬきたちは黄色い悲鳴を上げ、タヌ吉は心で絶望の悲鳴を上げ、ポンポ子ちゃんはといえば、頬をかわいらしくピンク色に染め上げていたのであった。ポンポ子ちゃんは、タヌ吉が子だぬきの頃から想いを寄せている、隣の巣穴にすむ、可憐な美少女だぬきなのだ。そのポンポ子ちゃんに、手どころか、口までつけるなんて、許せるはずがない。
 花を出すのは、比較的初歩の化け術で、才能があれば小さな子供でもできる。タヌ吉なら、種を芽吹かせ、大きな木にして花を咲かせ、実をたくさんならすことだってできる。
 だのに何だって、あんなキザで、わざとらしくて、レベルの低い術がいいのか、ちっとも理解できない。
 タヌ吉は、ぼくらには毛皮があるし、花の服なんて邪魔になって迷惑だろうと思うのだけど、タヌ金太のその術は、メス心を完璧につかんだらしい。今日も、通りかかったメスだぬきたちのおしゃべりの中で、昨日のドレスの評判が聞こえてきた。

 でも。これを見たらポンポ子ちゃんはどう思うだろう?
 この赤い、熱い、小さな踊る花を。
 こんなの、誰だって化け術で出したことがない。未知の、新しい何かだ。
 ポンポ子ちゃんはびっくりしすぎて、わからないかもしれない。よく見ないと木の実とまちがえて、食べてしまうかもしれない。
 わかってくれるだろうか。これがすごい、魔法なんだってことを。タヌ金太の花だらけよりずっとずっとすごい、タヌ吉の熱い想いがつまっているってことを。
 ずうっと眺めていると、小枝の先がけむりを出して黒くなってしまったので、また新しい小枝を、箱からとり出す。
 しゅばっと箱の横でこすりつけると、真っ赤な花弁が大きくひろがった。
 ゆらゆら、揺れるその向こうに、ポンポ子ちゃんが見える気がした。
 遠くのお花畑から、きらきらな笑顔で手をふっている。こちらに近づいてくる。ゴミ袋を引きずりながら……。
 え? ゴミ袋?
 人間のゴミ袋は、エサや道具をさぐる、たぬきの生活必需品の宝庫だった。そんな現実的なものが見えるということは、これは幻なんかではないのだ。
 ポンポ子ちゃんが、タヌ吉を見つけて、小走りに近づいてくる。
 いつも恥ずかしくて話しかけられないタヌ吉にとって、これは奇跡のようで、天国にも昇る心地だった。
 タヌ吉は猛スピードで走り出した。千載一遇のチャンスだ。
 ポンポ子ちゃんに、この新しい技を見てもらうのだ。枝先の小さな光が消えてしまう前に。
 タヌ吉とポンポ子ちゃんは、野原を突き抜け、お花畑の真ん中でばったりと――
 勢いあまって正面衝突した。
 とたん、その間に挟まれた小枝の先から、赤い光は猛烈にひろがり、2匹の体を包みこんだ。
 体中に真っ赤な花を咲かせながら、2匹はくるくると踊った。
 たぶん今まで見たことないくらい大きな、魔法の花に化けてしまった。
 たくさん揺れ終わると、真っ黒になった2匹は白いけむりを吹きながら、ばったりと仰向けに転がった。

 さてそこへ、やってきたのは猟師である。
 彼は人間で、狐狗狸山に長年暮らすおじいさんで、たくさんのたぬきやきつねを撃ってきた猛者≠ナある。
 なので、足元に転がる2つのまるい黒こげを見て、ひと目で、こりゃあ丸焼けになったたぬきだとわかった。
「こんがりと、よう焼けとるわい」
 おじいさんは2匹の足を縄で結ぶと、そのままずるずる引きずって、家に帰ってしまった。
 おじいさんの家では、今夜もおばあさんが晩ごはんを作っている。
 ゆらゆら踊る赤い花びらたちの上では、でっかい鉄なべに、おいしそうな肉入りの汁がぐらぐら揺れている。
 今夜のメニューはもちろん、たぬき汁である。
「じいさん、よくもまあ、焼けたたぬきなんぞ見つけてきたね」
「調理の手間がはぶけてえいじゃろ。便利な世の中になったもんじゃのう」
 コンロの横に、側面につけ方の絵が描かれたマッチが置かれているのはご愛嬌。
 そうして2匹は、くらくら揺れるひとつ鍋の中、一緒においしく食べられたのでありました。
 めでたし、めでたし。

――――――――――――――― 完 ―――――――――――――――
               (400字詰め原稿用紙10枚)

《反省》
 今回の課題は、「小道具としての表情の研究」だそうで、それ1つ(マッチとして)だけの使い道でなく、いろんな使い方や見せ方があるんじゃない? という、「役割の与え方」を考えることだった。
 マッチを、数学のパズルにしたり、水商売のお店の宣伝品にしたり……というのはもう例として挙げられていたので、それとは違う、魔法の杖とか、お花にしてみた。
 話のスジ自体は、我が家で昔から作られる、(母も妹も、お話を作るの) ベター・クラシック。完全3角関係ラブコメである。
 テーマは、好きな動物モノでブラックユーモアができたから○。ちなみに今回のテーマ曲は、恋のマイアヒ
      (http://www.youtube.com/watch?v=k6QMt-x5ans&feature=related
 文のつながりは、写文の成果もあって、以前より良くなったカモ。格段に変わってきた気がする。
 ただ、読者のターゲットがあいまいなままで、難しい単語とか出てくるのが、駄目だな。

 読む人のために、楽しませる意識で書かなきゃ!
 人を喜ばせらんないワ。
 要・サービス精神的ウケ狙い。次の課題だな。
 お次の課題は『帽子』です。もうネタは仕込んであるもんね。むひひ


*課題 ○
 文章 ○
 動物 ○
 枚数 ○
 ストーリー △
 ターゲット ×
 サービス ×
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エチュード01改:ハンカチ

2009/03/01 00:26
   即興芝居シナリオ  静寂の白いハンカチ

 母臨終のシーン。
 外は雨が降っている。病院の一室。コンクリート。狭い。
 父(44)と娘(14)、母の寝台の傍らで、2人離れて立っている。ブラインドの向こうは雨。細長い寝台の上には、死んだ母が白いハンカチのような布を顔にかけて横たわっている。死因:衰弱死。医者が出て行ったあと。
娘:「どうして、すぐ来れなかったの」
 視線は窓の外を向いたまま。
父:「仕事だったんだ。出張でパリまで行ってて……」
娘:「いつもそうね。父さんはあたしたちより、仕事のほうが大事なんだ」
父:「何言ってる。僕はいつもお前たちのことを思って」
娘:「違うわ!」
 娘、勢いよく振り返り、やっと父を正面から睨む。
 父、硬直。
娘:「あたしたちのことを思ってたら、大事なときはいつも一緒にいて、いっしょに笑ったり怒ったり、話もいっぱいしてくれたはずよ! それが無理でも、できる限りで、もっと誠意を見せてくれたはずだわ」
 父うつむいて、目を泳がせながら。
父:「だって……話しかけても、母さんはいつも怒ってたじゃないか。お前もだ。僕が部屋に入っていっても、2人して嫌そうな顔して、話にも入れてくれずに、僕を邪魔そうに追い出すじゃないか!」
娘:「母さんも最初は……ううん、ずっと期待してたのよ。でも父さんはまっすぐ母さんを見なかったじゃない。また期待して、裏切られるのが怖かったのよ。怖くて、殻を作って、怒ったふりして震えてたんだわ。母さんは愛してほしかったのよ。あたしもよ? でも父さんは、いつも逃げてたじゃない。いつも怖がって、あたしたちのことを見なかったじゃないじゃない!」
 娘、母の枕元まで歩いてきて、白い布をかぶった母の顔をやさしく見つめ、髪をなでる。
娘:「そういう弱さが、愛のなさがさびしかったのよ。怒ってるっていうのは、さびしいってことよ。どうして私の気持ちをわかってくれないのって、心で泣いてるんだわ。それで母さんは病気になってしまったのよ。違うなんて言わせない」
 娘、鋭く父をにらみつける。父、口を開けたまま一歩下がる。
 娘、そっと母の顔の白い布を取り、母の胸元に置く。
娘:「どうしてこんなになるまで気づかなかったの? いいえ、気づかないふりをしてたんだわ。途中からでも、やさしい気持ちになって、母さんの気持ちを聞いて、色々してあげたら良かったのよ。母さんは絶対、父さんのことを大好きだったのに」
 母の枕元に額をこすりつけて、泣き崩れる娘。立ちすくむ父の足元、コンクリートの床に、白い四角の布がはらりと落ちる。


――――――――――――――― 完 ―――――――――――――――
               (400字詰め原稿用紙3枚)
   
《反省》
 はい、ハンカチの課題、こっちになりました〜。紅白は白に軍配が。
 「赤いハンカチ」の対比として、「白いハンカチ」ができました。書き方も、全く真逆だった。
 「白」の方は、夜中に眠れずにモンモンしてると、インスピレーションが下りてきて、飛び起きて書いちゃった。
 書き方のイメージとしては、『ガラスの仮面』のマヤちゃんみたいな役者のタマゴが、即興で演技して、自分の内なる声が出てきて、「掴んだ、わたしの○○○○(役名)!」ってなる感じ。(何のこっちゃ)
 「赤いハンカチ」の方は、すっごい設定から何から論理的に詰めて、伏線とか構成とか、キャラのバックグラウンドストーリーとかいっぱい考えて、キャラの絵まで書いてたのに。
 やっぱ〈考えて〉書くより、〈感じて〉書く方がええんかなあ。
 この作品で、一晩でインスピレーションがキターーー! と思って書いて、朝になったら何やこの駄作? となるのを体験しました(笑) が、あえて載せてみた。
 課題の枚数は10枚やのに、ぜんぜん書けてないし。やっぱり10枚の小説として書かなきゃ、文章の勉強にならない。とりあえず、1シーンやと10枚にもならんことがわかりました(泣)
     
 内容は、ありがちな話ですね〜。
 でもありがちなことを、的確にドラマのパターンとして書いてみたかったから、これでよし。
 職場に、嫁はんと娘が最近話してくれへん・・・ とさみしがっているおじさんがいたので、考えてたらインスピレーションを得て(笑)、書きました。
 課題的には「ハンカチ」が書ければいいから、人物名なくても、まあいける。
 あと「人間を描く」というのも、人のありがちな心の内を追ってるので、たぶんOK。平安時代『蜻蛉日記』のころからよくある、日本の家庭の姿ですわ。
 しかしあかん、なぜシナリオ形式風になってしまったんだろう。。インスピレーションで来たら〈コレ〉だったんですよねぇ。シナリオの文章の書き方は大学の時勉強してたから。素養ってありがたいような、怖いような。。
 おもんないのは、これでは娘側の言い分しか入っていないこと。お父さんにもっと喋ってほしかった(枚数が・・・足らん)けど、何も言ってくれん(笑) コレをお父さん目線の一人称小説で書いてみようかな?
 でもまあ課題自体はできたので、次いきます。課題が50もあるので、ムダに凝り固まらず、サクサクいかんと。その方が直感も表現も、鋭くなる気がする。
 てか、反省文のが長いな・・・。

*課題 ○
 文章 ×
 人間 ○
 枚数 ×
   
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エチュード01:ハンカチ

2009/02/16 00:22
   1 運命の赤いハンカチ

「あっ」
 ひら、ひぃら、真っ赤なシルクのハンカチが、空気にふうわり広がって、落ちていく。
 女子と男子トイレの間の廊下に……。
 がしっ!
 と、私はすんでのところでハンカチをつかんだ。
 すぐに姿勢を正して、辺りを見回す。
 ホテルのトイレ前にも、廊下にも、誰もいない。
 もうっ、ホント、レディがハンカチを落としたら、誰か拾うくらいしないわけ!?
 ハンカチをきれいに折りたたんで、埃をはらって、ふっと息を吹きかける。床に落として汚れるのはいやだわ。

 私は気を取りなおして、会場に向かった。廊下に面した大きなガラス窓から、飴色の暖かい光が射しこんでくる。1階に見えているのは、オブジェのような噴水と、それを囲むたくさんのカフェテーブルだ。
 やわらかい絨毯を颯爽と踏み、受付に向かう。
 招待状のハガキを、鞄から出して確認する。2019年、2月18日(月)、12:00〜 大阪Tホテル3階『華の間』にて。間違いないわ。
 受付の若い女の子に差しだすと、その子はハガキを見て、目をぎょろぎょろ魚みたいに動かせて、言った。
「なにわの……ばら様?」
「浪花(ろうか)のばらです」
 私は憮然として、名前の読みを言いなおした。
「し、失礼しましたっ、(有)浪花被服店の、ろうかのばら様、本日は社長様に代わってのご出席ですね」
 もう、なにこの子っ。主催者側の銀行の子なんだろうけど、名前の読み方はなってないし、制服はダッサイし、ホント、失礼しちゃう。
 おたおたと渡された名札と、講演会のプログラムを受けとる。
 そう、今日私は、母さんと取引のある銀行の講演会に、代わってもらって来たのだ。
 この日のためにスーツも作ってきた。白いベルベットのスカートスーツ。私の身をつつむ白い花びらのようなフレアーを、裾や袖に施してある。胸にあしらった真っ赤なハンカチは、貰いものだけど、上質なシルクだし、使えるものは使うわ。

                                 つづく
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エチュードシリーズを開始します

2009/02/12 23:55
 みなさま!
 こさっぺはついにはじめようと思います。
 山のようにけわしい、修行への入道を。
 そのネタ元の本の名は、
     『シナリオの技術』(ダヴィッド社)

 これを教科書に、1年間、実作の修行を積みたいと思います。その名も、
   「20枚シナリオカリキュラム」。
 あるテーマ、「小道具」、「場所」、「感情」、「人物」などを、1つに絞って、これを強引に「10枚小説のエチュード」、として書きます。
 短編のエチュード(習作)を、連作として一年間、書いていきたいと思います。
 なぜ「シナリオの」技術か? っていうと、ストーリー作りの技術の習得法について、ここまで上手く構成した本は、他にないから。
 物語を描写する上で、学ぶべき技術を「部分」ごとに研究し、人間を描く「デッサン」をし、テーマをわかるように「表現」し、ドラマのキモの部分を鋭く研ぎ澄ます。
 もしかしたら賞に応募して本になるかも? なんて・・・ いうスケベー根性はとって、1日も早く「オトナの文章」になるべく、修行に集中します。

 なんでかというと、文章の基礎を身につけたいから。
 短いものをたくさん書いて、文章のおかしいとこも指摘してもらいながら、より多く矯正指導を受けたい。
 幸い先生には、ウチの会社の文豪 I 顧問もいるし、小説教室には作家の講師をはじめやんや口出してくれる人々もいるし、会社同期の小説好きっ娘ちゃんもいるし、大学のころお世話になった、SF大家M先生に突然送りつけるというテもある。

 あと大きな理由としては、お話づくりの基本を1から学びたいから。
 自分の好きな世界を長々と書くのは楽しいけど、その前に、しっかり人に認められる実力をつけた上で、書きたい。
 なんでも、――技術が条件反射で出るようになったときに、本当のインスピレーション、センスが、技術の形をとって書きだされる―― んですって。

 実は大学生の時からずっとこの修行をやりたかったのだ。(けど精神的に未熟で、手がつけられなかったのサ) 今年のこさっぺはひと味ちがうのだ

 そんなわけで、これから書いていく一連の作品を、ここにアップしていきたいと思います。全部で50編です。負けません。(1年は超えるかもしれないけど
 「小説としての完成された形」を目指すより、「与えられた課題をきちんと描けるか」だけに集中して書くので、作品としては未完成です。
 それでもなるべく小説の基本形に沿ったものを目指して書いていくつもりです。
 でもガッチリ気負って詰めて書くより、気軽にタラタラ〜ッと書いていきたいと思います。
 みなさま、春に日向ぼっこするおばあちゃんのような暖かい目で、見守ってください。。あ、でもよければやいや言うてください。
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てすと

2009/02/11 22:01
てすてす
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